ピンチはチャンス
よく聞く言葉です。
しかしよく理解できていませんでした。
実際にそれはどういう事なのか?
でもこの一年、コロナ禍でピンチを経験させて頂きました。つまり、同時に一年もの間チャンスを頂いていたという事になります。
人は窮地に追い込まれると、自分の本当の気持ち
心の中にある真の部分が見えてくるそうです。
たしかに、独立して何度あったピンチかわかりませんが間違いなくコロナは最大の経営存続のピンチでした。今も変わりませんが。
ただ、本当にやりたかった事 自分の心の中の真が見えた気がするんです。
当時はこう思いました。
どうせお客さんが来れないなら好きな事をしようと。
自分の店なんだから好きな事やってるのでは?と、思われるかもしれませんが、そんな事はなく、やりたい事はもっともっと未来にあって、本当に良い物を扱い 料理で自分の考えや生き方を表現していきたいと。そう思っていました。
しかしその前にどうしてもずっとやりたかった事
それは、親御さんのいない子達へのボランティアです。クリスマスディナーをプレゼントしたいと思い
千葉市の児童養護施設に連絡をとり子供達を招待させて頂きました。もちろん子供達は大喜びしてくれたのですが、1番驚いたのは、自分自身が幸せにさせてもらった事でした。子供達が本当に喜んでくれた顔と食事が終わってからのお礼の言葉を聞いてる時は、涙を堪えきれませんでした。
してあげたいだなんて思っていたのに、終わってみたら自分の方が大切なことを気づかせてもらえた事に、とても幸せをかんじました。
それと やはりお皿や食材といったものを探し始め、インスタグラムで佐渡の作家さんの器に惚れ
連絡を取らせていただくようになり、お家までお邪魔させて頂き料理をさせていただきました。
そしてまたもや、感動していただけた事に自分が感動し感謝の気持ちで満たされ幸せを感じさせて頂きました。
それから、豊洲市場に通うようになり中でも1番清潔感があって実直で魚を大事にされてる事が物凄く表れている魚屋さんと出会いました。
魚の状態も明らかに群を抜いていて、最初は、どう思われていたかはわかりませんが通う事半年くらい経った先日、とても嬉しいお言葉をいただきました。
もちろんその魚屋さんも、良い魚がない時もあれば買い付けられた時もあるのですが、
今日、良い魚あったから社長さんが来ないかな?って思ってたんですよ!
と。
正直言って、仕入れの時に自分の事を思い出してもらえるなんて衝撃でした。
自分が豊洲市場で1番の魚屋さんだと思っている方にそんなふうに思っていただけるなんてと
もうこれだけの事がコロナ禍で自分に起きた事なら、経営の問題は別として幸せすぎます。
自分の心の声と向き合う事ができたのは
間違いなく自分がピンチだからです。
だから、ピンチはチャンス
沢山の素敵な出会いに恵まれた一年でした。
そして、そうやって仕入れた魚
今回はホシカレイと明石の真鯛
これも、そんなエピソードと一緒に
皆さんに味わって頂きたいと思っています。