料理を創作するということ

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料理は芸術の域にあるものならば、毎回求められたものを作る職人技ではなく、感性の入ったきちんとしたルールの上でしか成り立ちません。

見た目に美しくとも、食べ物として美味しいと昇華させなければ、それは失敗作品です。

材料の特徴を理解する事。

これが先ず根底に無ければ、料理とは呼ぶことすら成立しなくなります。

ホヤを初めて美味しいと感じたのは妻のお土産で買ってきた蒸ほやに七味とマヨネーズというものでした。そこから、実際に嫌がられる部分を削ぎ落とし、どの部分が美味しく感じる部分なのかを理解して、引き立てるために何が必要かを考え材料を合わせます。

今回は、バジルとサフランマヨネーズです。例えるなら、七味マヨネーズが地元ならば、サフランマヨネーズとバジルはスペインあたりでしょうか?

 

創作する料理にはイタリアンだとかフレンチだとかというカテゴリーに縛られる事なく、自由に発想し食材を芸術の域にまで昇華させてあげる事が1番だと思うのです。

 

あとは食べてくださる方が、色々と感じ取って頂ければ、それは成り立つのではないでしょうか。

 

 

見た目と味の共通点

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これはセロリのサラダです。

1番の主役が見えなくなっていますが隠しているわけではなく、見えにくくなっているのです。

見た目に目立つのは、キュウリ ラディッシュでしょうか。

実際は、そのほかにミント さくらんぼ ルバーブです。味付けはレモン汁とオリーブオイルと塩のみ

です。

本題の共通点が何かというと

 

白いお皿に白いセロリが置かれて同調います。

お皿の存在意識がセロリの存在を見えなくさせています。

味の方はというと セロリより青っぽい香りキュウリ ルバーブ、ミントがセロリの青っぽさを見えなくします。

青さの香りではミントが1番強いので、ミントが目立つ味になります。

そしてレモン汁とルバーブの酸味

さくらんぼの青と酸味はこの2つの要素で甘さしか感じなくなります。

全てスライスしてありますが、微妙に違う食感のコントラストと全ての材料が補い合い、それぞれが存在意義のあるサラダになりました。

セロリはというと、青っぽさは他の仲間にカバーされ目立ちません。そのかわり、食べてみると1番存在感がありセロリってこんな味だったっけ?って思うようなそんな良いチームのようなお皿です。

食材の組み合わせとそれぞれの量のバランスが、きちんとハマったサラダになりました。

冥利につきる

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緊急事態宣言が解除されて少しずつですが

お客様をお迎えする事が出来る様になり、久しぶりにメニューを考え準備する事に

凄く幸せを感じています。

やりたいけど、出来なかった期間の反動が

今まで以上の物を作りたいという気持ちが

エネルギーになり、お客様へ伝わって行く

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こんなに料理が楽しいのはいつ振りだろう

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6月からも、またお会いできる日を楽しみに

 

 

 

コロナウィルスの影響を受けて

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コロナウィルスの影響を受けて、非常事態宣言が出されました。

このことは、多くの皆さまにとっても厳しい状況かと思います。

世界中が不安になる世の中、少しでも自分達に出来る事はないか

家から出られない、毎日の食事を用意しなければならない、少しでも外食気分を味わってもらえたら、少しでも家族皆さんが笑顔になれたらと思い、パスタを家で美味しく出来るよう

発送でお届けできないかと考えました。パスタソース メイン料理 前菜など少ない数ですが御用意させて頂きました。

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メニューはこちらです。

 

苦しい状況を乗り越えた先にこそ、会社も、世の中も新しい事が生まれ成長していくものだと思います。

1日も早く明るい笑顔が皆様のもとに戻りますように、願っております。

最高の食材の調達方法

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昨日は太刀魚釣りに行って来ました。昨日も?

 

今回は初の太平洋の太刀魚です。

いつもは東京湾なのですが、、、

 

そして、f:id:dlsf:20200110172549p:image釣りに一緒に行った野菜の生産者キレドの

栗田さんから帰りに畑でほうれん草とリーキを頂きました。

前日の睡眠時間は2時間。

朝3時に栗田さんと待ち合わせ

畑に戻ってきたのは16時。

それから家で料理を作りました。

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僕には、これ以上の食材の調達方法が見つかりません。

 

太刀魚は、東京湾の方が脂がのっている気がします。

ですが、それとこれとは別で、

例えば、子供が遠足で掘って来たサツマイモはその子にとってどうでしょうか?

とてもスペシャルなサツマイモだと思うんです。

店ではトリュフも使います。

しかし

高級な食材が良いとか、頼れば良いものではないということです。

 

その食材がどのように扱われ、どんな道を通ってお客様の口に入るのか。

それが、最も重要な事なんじゃないかと思うのです。

 

それが自分の料理を作る上での

一番の重要な理由であり存在意義だと思います。

肌で実際に感じること

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今回は、新しいスタッフに生産者の思いや、どんな苦労や気持ちが込められたものがエストワイに届いているのかを知ってもらいたかったので、kiredo さんの畑におじゃまして来ました。

台風15号19号この間の大雨と今年は天災が多い千葉。

これからも一緒に

頑張りましょうの意味も含めて

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そんな中生き延びてくれた野菜に感謝の気持と一緒に味わって来ました。

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これは、他の食材にも言えること

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釣りに行くことも、やはり楽しいだけではないのです。

釣れない時もあります。海が荒れてる時もあります。

自然と付き合い、肌で感じて生きること。

便利なものや簡単に手に入ったり出来るものには、そういった深みがないので、薄っぺらいものになってしまいます。

本当に良いものとは、そうやって自然の中に自分が存在する事を認識させてもらえる物なのではないでしょうか。

パンを酵母から作ることもその一つです。

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酵母と会話してきちんと世話、管理をしてあげないと死んでしまいます。

 

毎日釣りに行くことは不可能ですが、度々畑に足を運び、度々釣りに行き、自分達がレストランのスタッフとしての仕事、自然の中のどこに自分達の存在意義があるのか、しっかり自覚してこれからもやって行こうと思います。

 

絵を描いた事で味の立体感まで想像出来るように

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料理を考える時

食材の組み合わせや、相性、特徴など色々と考える事はありますが。。

 

そもそも、絵を描き始めたのは自分の頭の中がきちんと具体化して形に出来ているのか、という事に疑問を持った事がきっかけでした。

先ずは、横にイラストを置いてそのまま描いてみると自分の頭が勝手に変換してしまって同じように全く描けませんでした。つまり、イメージを具象化、具体化するということは簡単では無いという事に気付きました。今までイメージして作っていたものは味見をしながら作り上げていたのです。

それが、絵でいう陰影 線の細さ濃淡 などなど、絵を描く中での基本的な決まり事が料理にも当てはまるということと、材料を組み合わせたときの味の立体感 この部分は薄くか濃くか鉛筆の2Bと4Bの違いの差などと考えるととても細部に至るまでイメージ出来るようになりました。

このバターナッツのニョッキも、ニョッキの硬さ、エビと鶏肉のカットの大きさによる食感の強弱、存在感。少しだけ蜂蜜を足すことでバターナッツの甘さを補うのではなく、甘さの立体感を持たせる。

ローズマリーとシナモンとバターで香りで後味に調和された余韻を残す。

カボチャとほうれん草の相性良さというところで、まだ旬では無いのでほうれん草の仲間のビーツを

色もオレンジとピンクがかったパープルの相性と、こちらも存在感を強くなりすぎないように2mmのスライスにして。といった感じで頭の中で出来上がっていた物を具象化しました。

そんな事をイメージして作った料理です。

絵を描いた事で今までよりも、想像でよりはっきりした味見が出来るようになりました。