変わらない物

世の中には数え切れないほどの料理がありますが、どの料理もその時代の料理人によって少しずつ変化をして進化してきました。

例えば、江戸前寿司

江戸の時代には、おにぎり程の大きさだったと言われています。

フランス料理もまた貴族達が手で食べていたことも

ナイフやフォークを使うのはロシアから伝わったと言われています。

人は常に変化や新しいものに興味を持たれるものですが、料理となると何故かそうでない人が多い気がします。特にラーメン屋さんなどは、同じ味を求められる事が多いというか、まさにあの味を食べたいと思って行かれる方がほとんどです。

一つのあるラーメン屋さんが、毎日違う味だったとしたらどうでしょうか?

流行りと共にラーメン屋さんの数は変化していきますが、それを経てラーメンの歴史が築かれていくのだと思います。

しかし、レストランは一個人の料理人によって歴史が作れるのです。続けられてさえいれば、自分の料理を変化させて進化して行く事が出来るのです。

同じ味を作らなければいけない縛りを解放し、

自分の今までの経験や閃き、自由な発想を表現する事が出来るのです。

 

日本には、他の国には少ない優れた陶芸作家さんが沢山います。なぜ、そんな素晴らしい器を使わずにいられるのか不思議で仕方ありません。

そして、ただデタラメな思いつきを形にするのではなく、1番大切にしている事は感謝の意を表現の中に常に入れる事です。食材には生命があります。

それを頂くわけですから大切に扱い、最高の状態になった時に調理してお客様に喜んで頂く事。

そのために自分達で釣り、大切に持ち帰るということから始まります。釣れすぎた場合には持ち帰らず逃してくることももちろんあります。自然の中で生かせてもらう最低限のルールだと思いますので。

そして、その料理の中に込められたものは同じように魂の入った一つ一つの器と共鳴し、お互いを昇華させる事が出来るのだと思うのです。

 

これが、自分の中で常に新しい料理を創作しながら創造し作り上げて行く中での変わらない物です。

 

次はこの今まで見たことない素晴らしい器に合う料理を考え中です。

 

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見た目ですでに奥行きが半端なく、見た目だけの料理では釣り合わないので、きちんと見合えるような奥行きも釣り合うような一皿に仕上げたいと思います。